奨学金制度

私たちがBCJ奨学金を始めた理由

1995年の夏、私はオーストラリアのタスマニアで現地の人たちに日本語を教えていました。私の生徒の一人に、東京に住んだ経験があるエミリーという女性がいました。ある日、ビールを飲みながら話していると少し饒舌になった彼女は言いました。「日本は世界一閉鎖的な社会だと思う。」

当時の私にはピンときませんでしたが、今では彼女の言った意味がよくわかります。四方を海に囲まれた日本で長年かけて育まれた愛すべき文化や価値観の多くは、非常にユニークです。また、多くの日本人は外国人をコミュニティの一員として迎えた経験がなく、悪気なく距離をとってしまいます。彼女も日本人の社会に入っていこうとして距離を感じたのでしょう。

そんな日本では各分野に海外と日本をつなぐ仕事が存在して、多くの日本人は直接外国人と密接に向き合う必要がありません。私もオーストラリアから帰国後、化学品専門商社で日本のメーカーと外国のバイヤーをつなぐ仕事に携ってきました。海外のバイヤーから頼りにしてもらいながらビジネスを行う中で、少しずつ彼らとの距離が縮まり、海外の友達も増える楽しい仕事でした。

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しかし、ふと考えました。

  • 日本は閉鎖的でなくなったでしょうか?
  • 日本はしっかり世界に発信出来てるでしょうか?
  • 日本は今後、世界と共に成長出来るでしょうか?
  • 内向きの日本は世界においていかれないでしょうか?

いつしか私は、私と外国人バイヤーの距離だけではなく、日本と海外との距離をもっと縮めたいと考えるようになりました。
どうすれば日本人と外国人はもっと分かり合えるか?
経験から導き出されたわたしの答えは「日本と海外のコミュニケーションの量を増やす」ことでした。

そこで、日本の立場に立ってきちんと論理的に外国人と話が出来、日本発の情報を世界に発信出来る人を一人でも増やすために、真面目に努力をして海外留学を志す若者のための奨学金「大真奨学金」をスタートさせました。2004年に株式会社大真を起業して7年後の2011年のことです。以来10年間、コロナで該当者がいなかった2020年を除き毎年1~3名の奨学生のサポートをさせて頂きました。純粋に自らの目標を見据えて努力を積んできた若者たちが海外での経験の後、更にパワーアップして帰ってくる姿を毎年楽しく見させて頂いています。

2021年の会社の組織再編に伴い、名称を「BCJ奨学金」と変更し、将来を見据えて財団を設立して奨学金の運営をすることとしました。これからは当グループからの支援の他、クラウドファンディングなども活用し、より多くの若者の夢を後押しできるように取り組んでいきます。また、従来はこれから留学に旅立つ若者を送り出す壮行会や帰国後に行う成果発表会で歴代留学生の交流を図ってきましたが、これからはSNSなども活用して、先輩留学生と現役留学生とのリアルタイムでの情報交換の機会を増やし、様々な形で日本からの留学生のサポートをしていければと考えています。
小さな企業の始めた小さな取り組みですが、いろいろな方に「日本と世界の相互理解を深め、距離を縮める」という趣旨をご理解して頂き、当奨学金を通じて、今後の日本と世界の懸け橋となる若者たちへの応援をいただけると幸いです。今後とも、BCJ奨学金をよろしくお願いいたします。