代表理事挨拶
設立の目的
日本は長年、アメリカの安全保障政策のもとで発展を遂げてきました。しかし、世界が多極化し、国際秩序の流動性が高まる中で、日本も国際社会の変化を捉え、逐次適切に判断し対応していくことが不可欠です。
さらに、AIやデジタル技術の進化、経済のグローバル化、地政学的な変化が相まって国際環境が急激に変動する現代において、ビジョンを持ち、世界とつながり、状況を正しく捉えた上で戦略を立て、迅速に決断する力を欠けば、日本は国際社会での影響力を急速に失い、取り残される恐れがあります。
一方で、近年、アメリカやイギリスの大学などの主要留学先への日本人の留学者数は減少しています。他のアジア諸国では増加しており、対照的です。グローバル人材の必要性が高まる中、日本が国際社会と協力し、世界の平和と繁栄に貢献するためには、次世代のリーダーとなる若者が、海外で学び、国際的な現場でキャリアを積める環境を整えることが重要です。
この課題に対応するため、私たちは若い世代が世界へ飛び出し、グローバルな舞台で活躍できる環境を整えることを目的に、経済的支援と伴走サポートを提供するNPO法人を設立します。
メンター制度と支援のサイクル
BCJ奨学金では、給付型奨学金の提供に加え、世代を超えた1対1のメンター制度を導入し、メンターとメンティーが互いに成長できる仕組みを構築しています。この制度は、奨学生から高いニーズを受け、若者にとって精神的な支えとなるだけでなく、異文化環境への適応やキャリア形成において重要な役割を果たすことが期待されています。
さらに、この制度を通じて支援のサイクルが生まれ、経験を積んだ奨学生が次世代の支援者となることで、持続的なネットワークが形成されます。 この循環型の支援により、新たに挑戦する若者たちへとつながる機会が広がります。
未来に向けた新たな一歩
一般財団法人からNPO法人への転換は、活動の幅を広げ、持続可能な未来を築く重要な一歩です。今後も、日本の若者が世界へ飛び出し、主体的に挑戦し、国際社会で影響力を持つ人材へと成長できる環境を持続的に整えていきます。
そうすることで、対立を避ける日本の調和の精神や文化を生かし、多様性が進む世界の平和と繁栄に貢献する国へと進化する基盤を築きます。
代表理事 大口 真豪